【犬部!】原作ネタバレ!本当にサークル?予想外の活動に思わず涙!

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犬部原作ネタバレ

出典:映画【犬部】公式HP

片野ゆかさんのノンフィクション書籍・『北里大学獣医学部 犬部!』が実写化された、映画【犬部!】が2021年7月22日(木・祝)に公開されます。
主演は林遣都さんで、超が付くほどの動物好きな花井颯太を演じます。その相棒で心優しい同級生・柴崎涼介役は中川大志さんです。

「犬部」ってどんなサークルなのか?興味津々です!

本記事では、映画【犬部!】の原作ネタバレ・サークルとは思えない活動に涙してしまう理由について書いていきます。

映画【犬部!】キャストと相関図!「ただの癒し系映画じゃない」その理由とは?
出典:映画【犬部】公式HP 2021年7月22日(木・祝)に映画【犬部!】が公開されます。 主演は林遣都さんで、超が付くほどの動物好きな花井颯太を演じます。その相棒で心優しい同級生・柴崎涼介役は中川大志さんです。この映画で2人が初共演します...

映画【犬部!】の概要

出典:映画【犬部】公式HP

スタッフ

この映画は、青森県北里大学に実在した動物愛護サークル“犬部”をモデルに、動物保護に人生をかけた獣医学生たちの奮闘の日々と、その後の人生を描いた作品です。
監督は、『花戦さ』(17)や『影踏み』(19)など、人の心の機微を繊細かつ堅実に描いてきた実力派監督・篠原哲雄さん。動物保護をテーマとしたドキュメンタリーの名手、山田あかねさんが脚本を手掛けます。

あらすじ

犬部ネタバレあらすじ

出典:映画【犬部】公式HP

「生きてるものはみんな助ける!犬も!猫も!いいだろ、犬部!」と希望に満ちた笑顔を見せ、“犬部”の設立を宣言する主人公の花井颯太(林遣都)。颯太と仲間である柴崎涼介(中川大志)、佐備川よしみ(大原櫻子)、秋田智彦(浅香航大)らが命と向き合い奮闘してきた学生時代。
一方で卒業後…獣医師になった後も自分の信念を曲げず、がむしゃらに走り続けてきた颯太だったが、ある事件を起こしてしまう……。
「なんでまだ生きられる奴らを殺さなきゃいけない…」と涙を流す柴崎。
彼らには過酷な現実が待ち受けている…。

キャスト

犬部ネタバレキャスト

出典:映画【犬部】公式HP

  • 超が付くほどの動物好きな熱血主人公・花井颯太:林遣都
  • 颯太の相棒で心優しい同級生・柴崎涼介:中川大志
  • 颯太の心意気を慕う犬部メンバー・佐備川よしみ:大原櫻子
  • 実習用の動物を世話していた学生で犬部メンバー・秋田智彦:浅香航大
  • 獣医となった颯太のもとを事情を抱えて訪れる女性・川瀬美香:田辺桃子
  • 颯太が開業した動物病院に勤める動物看護師・深沢さと子:安藤玉恵
  • 「犬部」をずっと後押ししてくれる動物保護団体のスタッフ・中越真利子:しゅはまはるみ
  • 大学卒業後のよしみが所属する研究室の後輩・田原優作:坂東龍汰
  • 大学卒業後の柴崎を知る動物愛護センターの職員・門脇光子:田中麗奈
  • 秋田智彦の父で獣医・秋田秀作:酒向芳
  • さびれてしまったペットショップを営む・久米尚之:蛍雪次朗
  • 獣医学部の教授・安室源二郎:岩松了

主演級俳優から名バイプレイヤーまで豪華なキャストですね!
このあとネタバレを書いていきます。

【犬部!】原作ネタバレ

「犬バカ、犬部に出会う」ネタバレ

青森県十和田市にある北里大学獣医学部。そこには太田快作が創設した「犬部」がある。自らを「犬バカ」と呼ぶ池田聡は、犬部に初めて入った部員だ。犬部の学生は自宅に行き先がない動物を保護し、昼休みには自宅に帰り世話をし、大型連休も交代で動物の世話をする。
池田が太田の家を訪れると「土足でいい」と言われる。土足禁止なのはソファだけだ。床にある新聞の間に重なって15頭くらいの犬や猫がいた。その中にクリーム色の中型犬がいた。それがハナコだった。太田の愛犬で犬部の正式な部員でもある。自分はようやくこの大学で最高の「犬バカ」と出会えたと思う池田だった。

「ルンルンの奇跡」ネタバレ

太田は出会う動物を連れ帰る。理由は「目の前の動物を救いたい。」それだけだ。実家の仕送りは動物の医療費やフード代で消えるが、太田はそれも苦にならなかった。元気になったら飼い主を探す。しかし、友人や協力してくれる人はいるがなかなか見つからない。
太田が犬部を作る前のこと、ある犬を連れて帰る。シャワーを浴びさせ、楽しい気分で暮らしてほしいと願いを込めて「ルンルン」と名付けた。ある日友人からルンルンが大学の犬だということを聞く。大学で治療や手術などを専門的に学ぶ臨床研究室の犬だ。殺処分される予定の犬が大学に引き渡される。太田はそれで犠牲になる動物がいることが嫌でその実習を避けていた。それを援護してくれる教授がいた。これ以上その教授に迷惑はかけられない。大学に戻る車でルンルンは「キャーン!」と辛そうに声を上げた。それから一度大学に戻ったルンルンは自分で太田のところに帰ってきた。それからもう大学に戻されることはなかった。太田はルンルンを健康な状態になるまで世話をして、あちこりに張り紙を出して飼い主を探す。すると、奇跡が起きる。ルンルンの飼い主で探していたという人が現れ、無事飼い主のもとに帰っていった。
この経験から、太田は獣医学性として動物の命と触れ合えるサークル、「犬部」を創設する。

「犬部員ハナコ」ネタバレ

犬部は太田の家に朝集合すると、みんなで動物たちを連れて散歩に出る。新入部員の池田は太田を尊敬している。
太田の愛犬ハナコはまさしく部員として活躍。新しい動物が太田の家に来ると、トイレの場所を教えたり世話をした。ハナコのおかげで動物たちの平和が保たれている。
そんな中一匹の犬を保護するが、妊娠していた。帝王切開で出産したせいか、母犬は子犬たちに興味を示さなかった。太田は試しにハナコにその子たちを近づけてみると、優しく子犬たちをペロペロなめた。さらにお乳を吸うと、なんとミルクが出たのだ!
部員たちはみなハナコを尊敬した。

「初めての卒業」ネタバレ

ある日池田は太田から携帯を渡され、犬部専用の電話だからと言われ、犬部の窓口になる。それはとても大変で、電話にとても時間を取られたり、授業中で出ないと怒られたりした。最初は飼い主を探すようアドバイスするが、「犬部がだめなら保健所だな!」という人もいて、それは池田にとってとても恐怖の言葉だった。だが全部を預かることはできないためそれが現実だ。
犬部に入って初めて猫の世話をする池田。犬部にくる猫は人見知りがなくボッチと名付けたその猫は、譲渡会を行い数週間後には飼い主が見つかる。飼い主が見つかることを犬部では「卒業」と呼ぶ。普通の部員は卒業があると号泣して悲しむが、池田はさみしくなかった。実家から連れてきた、ビーグル犬のナナを飼っていたから。犬部に入り動物を預かるときもナナが怖がらないような動物を選んで預かった。
そんな中ある犬を預かる池田。きれいに洗ってあげると真っ白になったため「ホワイト」と名付ける。ホワイトは散歩もしたことがなく、けいれんを起こす癲癇てんかんの持病がある。池田はホワイトには長いケアが必要だと思った。気分転換に譲渡会に連れていくがホワイトに興味を示す人はいない。
譲渡会後は「こんなにかわいいのにね」と言いながら片づけをするのが恒例になっていた。

「オッチャンの愛犬」ネタバレ

ある日動物愛護団体の代表から、動物が40頭以上放置されているという情報が太田のもとに来る。数日前に逮捕された男の家だ。太田は現場に到着するとポリタンクにつんでいた水とドックフードを出して与える。犬たちは逮捕された男の所有物になるため、警察を通して男本人に確認し「世話を頼みたい」と言われたので、犬部の部員たちが連れ帰った。すると男が釈放された後「学生に犬を盗られた」と大学に連絡してきた。急いで男の家に行くと「オッチャン」という感じの初老の男が出てきた。男は犬たちの世話もちゃんとしていて犬にもなつかれている。しかし生活が苦しいオッチャンは神社の境内でまた犯行を犯す。今度はすぐ出てこられないため犬部にすべて世話は任されることになった。オッチャンの気が変わらないうちに戻ってくる前に、去勢手術をすべて終わらせた。オッチャンが戻り生活が安定したころに少しずつ犬たちを戻し、オッチャンも大切にかわいがった。ほっとする太田だった。

二代目の犬部の代表は池田に決まる。
犬をかわいがりたいという純粋な思いで犬部に入った池田だか、現実は動物が雑に扱われたり、大変な世話があったりと辛いこともある。勧誘を辞めようかとも迷うが動物も救いたい。勧誘チラシに「ウサギもいるよー!」と付け加え配った。

「ウサギに呼ばれた男」ネタバレ

獣医学科2年生の大山は、もとは金融会社で働いていたが新しことをしたいと思い獣医を目指している。サークルに所属するつもりはなかったが、ウサギは好きな大山。犬部の勧誘チラシを見て、動物を助けられたら…と思い犬部に入る。しかし太田の家を見てびっくりする。土足で生活したくさんの犬を保護している姿に、今の犬部、組織としては全然だめだ!と思う大山。もっと役割分担をすること、ある程度のマニュアルが必要なこと。資金繰りも部費と地域の方からの寄付でまかなっているので会計報告も必要だと感じる。次第に大山は自分の役割を見つけ活動にのめりこんでいった。

「犬部でいちばん気の長い話」ネタバレ

渡邊が犬部に入って1か月。太田からオッチャンの家からきた犬「コマッタちゃん」を預かってみないか?と言われる。コマッタちゃんはアパートに来てからキャリーケースから出ようとしない。その付近にエサとトイレを設置した。この子と長く付き合っていこうと決めた渡邊は、白に赤茶色の模様だったため「アズキ」と名付ける。3週間がたちやっとゲージの外でゴハンを食べられるようになった。太田はオッチャンのもとに返そうか悩んでいたが、渡邊は「大丈夫です!最近ゲージの外も歩くようになったんですよ!」と言った。アズキは渡邊の留守中誰かが来るとパニックになるため、帰ったら掃除をすることが日課になっていた。それでも「アズキのおかげで床がピカピカになったよ」と前向きな渡邊。4か月がたち、だいぶ慣れてきて渡邊にも少しなつくようになったアズキ。散歩を試みるがなかなかうまくいかない。預かってから半年がたち少しづつ散歩もできるようになった。冬休みも帰省せずアズキの世話をする渡邊。それにより渡邊とアズキの距離は縮まる。食事の量も増えて元気になってきた。このころにはアズキのことが分かるようになっていてかわいくて仕方がなかった。アズキを譲渡会に連れていくが、渡邊の腕に入りそこから出ようとしない。ついに渡邊はアズキを飼うことに決める。前からそうしようと思っていたのかもしれない。

「運命のニャンたち!」ネタバレ

生後7か月ごろ、猫の「ブチ朗」は市川育実のところにやってきた。それまで世話をしていた部員が退部するため引き継いだ。ブチ朗はオスだが、他の猫の面倒を見たり優しい一面もある。市川はブチ朗と何度も譲渡会に参加するが、人におびえるということはなかった。かわいいのになかなか飼い主が見つからないブチ朗。次の譲渡会で見つからなかったが飼い主になろうと決心する市川。結果ブチ朗を飼うことに決める。今までは動物を卒業させるたび寂しくて友人の家に寄っていた市川だったがこれからはブチ朗が家にいてくれると思うと嬉しくなった。

山本佳奈が犬部に入って数か月の時に、事故でひどいケガをした猫を預かる。医師の説明を聞き下半身不随になるし助からないかもしれないと聞き、瞬間的に自分が飼おうと思う山本。大手術を終え1週間その猫は山本のアパートに来た。名前は「夢優むう」に決まった。夢優の世話は大変なものだった。下半身不随のため排泄ができない。尿を膀胱から絞り出し、大腸マッサージもする。人になれていない夢優は爪をたてるので山本の手はすぐに傷だらけになった。また夜鳴きがひどい夢優。近所からクレームも来た。洗面所だけは防音効果もあり落ち着くのか、そこで朝まで夢優と山本は何日も過ごした。この子といられるのは自分しかいないと思い夢優を飼うことに決めた山本だった。

「巨大ウサギの幸せ」ネタバレ

ウサギが好きな大山は「栞」と名付けたウサギの世話をすることに。犬や猫とは違いウサギは感情が分かりづらく人にはなつきにくく、抱っこも好きじゃない。それでも大山の膝の上に栞が来たときはとても愛おしく思った。そんな中「ビクとアーツ」という大きい2匹のウサギが大山のところに来る。ビクはとても警戒心が強く、反対にアーツは暴れん坊だ。犬や猫みたいに散歩をさせてあげたれたらいいのにと思う大山。そして2匹とも奇跡的に引き取り先が見つかり、ウサギにとって大事な大きな広場も用意してもらえるということで喜んだ大山だった。

「あたった予感」ネタバレ

ある日「ホワイト」が捨てられていると池田に連絡が入る。ホワイトは池田が献身的に世話をしかわいがっていた。フィラリアと癲癇の病気があり飼い主は見つからなかったが、飼い主が見つかるまで一時預かりしてくれるQさんという方に引き取られていた。しかしこれまでにホワイトが逃げだすことは3回もあった。池田は連れ戻すことを考えQさんに伝えると、「ホワイトの飼い主になりたい。これからはもっと注意します」と言ってくれた。迷ったがその申し出を断る理由もなくホワイトは卒業となった。卒業してから数か月池田のもとに連絡はなく安心していた。ホワイトが大好きな池田はふと会いたくなることもあるが、飼い主が決まったら混乱させないため会ってはいけないというルールがあり会えない。そんな中年末に、犬部の携帯電話にQさんから「ホワイトが死にそうなんです!」と連絡が入る。

「生まれ変わった犬」ネタバレ

急いでホワイトのもとへ行く池田。Qさんは気が動転していて何も言えなかったため池田が病院に連れていく。診断結果は敗血症だった。薬で何とか一命はとりとめたが、ホワイトは何度も癲癇の発作を起こす。医師から「苦しむだけだから安楽死も含めて考えたほうがいい」と言われるが、池田は連れて帰り世話をすることにした。自分で食べられれないので口から水や栄養物を与える池田。そこから不眠不休で看病をする。だんだん発作も少なくなり、1か月たって部屋の中を歩けるまでに回復した。これには医師も太田たちも驚いていた。しかし以前とは変わり、排泄コントロールができなくなり、排泄したその上で寝てしまうこともあった。また食べ物への執着がすごく欲しいと思ったらすごい勢いで部員の弁当も奪うほどだった。それでも池田はあのときホワイトは生まれ変わって赤ちゃんから人生をやり直しているんだと思うことにした。トイレの世話は大変だったが、池田の世話のおかげで癲癇の発作も池田が「ホワトン大丈夫だよ」と声をかけるとおさまり、激しい発作はおこらなくなっていた。

「太田、卒業」ネタバレ

太田はついに卒業を迎え、獣医試験にも合格。春から神奈川の動物病院で働くことになっている。そこで太田は、自分が立ち上げた犬部に責任をもつことができなくなると思い解散を考える。しかし卒業の日メンバーを見て、池田や大山など動物を愛し、犬部にメンバーがいる以上解散してはいけないと思い、解散はなくなった。
しかし大山は危機を感じていた。太田が住んでいた通称「動物アパート」にいる動物たちを部員で分けて預かりそれでもう手一杯になってしまった。これから犬たちの出産ラッシュでこれ以上動物を預かるのが難しいと考えた。今まで大学の認可のない非公式正式なサークルだったため、活動しにくい部分もあった。そのため大山は三代目代表として大学内のあいさつ回りをする。しかしトラブルメーカーの太田のサークルとして知られていたため冷たい対応が多かった。

「コロからの年賀状」ネタバレ

「コロ」という犬の飼い主が見つかったと世話をしている岩木が犬部のメールに流した。ただ、誰も信じられない。というのもコロは噛みぐせが強く、犬部で出戻り率ナンバーワンの犬だった。コロはこだわりが強く、すぐみ噛み癖が出てしまう。しかしある日の譲渡会で片づけをしていたところに、小学生の子を連れた男性が話しかけてきた。コロの状況を説明するとだいたいの人は諦めるが、その男性は「うちなら飼えると思います」と言ってきた。大型犬を何匹も飼っていて専用の部屋もある。さらに何匹も最期まで看取ってきたと言うのだ。岩木がその男性の家を見に行くと、本当に犬専用の部屋があり、凍えてしまうこともないと思った。お試し期間も終わり正式に家族として迎えられたコロ。その翌年の正月。コロから年賀状が届く。幸せそうに笑っているコロが写っていた。そのハガキは岩木の宝物になっている。

「さよなら愛しい犬」ネタバレ

池田の飼い犬のナナが血液のがんになっていることが発覚する。ホワイトに構ってばかりで大事な飼い犬のことを見てあげていなかったことに反省する池田。これからはナナだけに時間を使おうと決意。ホワイトの預け先を見つけなければならない。部員のメールに送ってみるが誰からも返信はない。池田は孤独を感じた。数日後、部員全員で集まったときも、ホワイトの話になるとみんな目をそらした。そんな中、大山が世話を引き受けてくれる。それからナナの治療は順調に進んだ。ある日譲渡会に参加すると大山がホワイトを連れてきていて元気そうで安心する池田。そしてみんなにカワイイと言われホワイトはアイドルのようになっていた。
1年間大山が預かったホワイトだが、上級生になり忙しく世話が厳しくなり、後輩の高橋に引き継がれた。高橋も世話が難しくなり今度はコロを世話していた岩木が預かることに。岩木の家に来てから、ホワイトは一日中眠っていたり、癲癇の発作が3日に1回起きている。調子は良くなかった。ある日見たこともない大きな発作が起きる。何とか収まり寝息をたてたのを確認し一緒に寝た。
その後、岩木が買い物のため家を出て30分たったころ、携帯が鳴る。部員から「すぐに戻れ!ホワイトが死んでる…」という連絡だった。岩木が戻ると不在中に激しい発作が起こったのか、四肢が乱れ、口から舌が出ていた。アリがはっていたのでそれを払い、段ボールに遺体を納める。
到着した池田は冷静さを失っていた。そんな姿に岩木は何も説明できない。池田は風呂場をかり、ホワイトを洗ってあげる。風呂場から声が漏れていた。「ホワトンどうしてこんなことに…毛の色が変わってる…こんなにやせてなかった…」その言葉すべてが岩木に突き刺さり、おそろしくなる。ホワイトは部員とのお別れのあと火葬された。
別れから1年あまり。池田はナナと散歩して夜空を見上げた。ホワイトのことを思い出すと胸が締め付けられる。どうして何もしてあげられなかったんんだと。でも優しいホワイトだから「気にしなくていいよ」と言うだろう。

「事件発生」ネタバレ

ある日「ムックが部外者をかみました。」というメールが犬部に回る。
部員は信じられなかった。ムックといえば、明るくて遊ぶのが大好きで預かっている部員のKにとてもなついている。というイメージだからだ。ゲガをさせた相手は全治2週間と深刻な状況だ。代表の名護はムックが預けられた状況を調べようとするも、誰もそれを知る部員はいない。健康管理用カルテと引き取る状況のカルテ2種類を犬部では使用していたが、名護以下の部員には引き取る状況のカルテの存在が伝わっていなかった。犬部は無期休部となった。
池田や大山は名護たち下級生に「わからないことはどうして質問しないんだ?」と問うも、犬部は池田達が入ったころとは違い、部員は40人となり、ミーティングや譲渡会で仲良くなり情報交換できる時代は終わっていた。ミーティングを行い池田や大山が熱い気持ちを語るも、今の部員は自分の生活まで壊してやるつもりはない。という意見など、昔とは意識も違っていた。「覚悟ができないなら解散したほうがいい」大山の言葉に誰も反論できる部員はいなかった。
ムックはKから引き継ぎ榎本が世話をした。明るく人懐っこいのに急に攻撃的になるのは、散歩で知らない犬に会った時など自分が怖いと感じるときだということが分かる。マテやオスワリなどの訓練で、ムックは攻撃が減り榎本の友人たちもムックが大好きになった。

「そしてここから」ネタバレ

休部から3つの季節が過ぎ、部員たちは何度もミーティングを重ね、役割分担も決め、活動再開に向けて動き出していた。再開の挨拶でかねてから世話になっている動物愛護団体の代表者に会った。そこで犬部の名前を変更することを勧められる。犬しか預からないわけではないし、いい機会だと。保健所や獣医師も名前を変えることに賛成だ。結果「北里しっぽの会」に名前を変更した。
そして春。新入部員が10人ほど入り、旧犬部は本格的に活動を再開した。
しばらく手探り状態が続くだろうけど大丈夫!これでようやく動物たちを救えるのだから!

本当にサークル?予想外の活動に思わず涙!

ここまで原作ネタバレを書いてきましたがどうでしたか?
これは小説ではなく実際にあったお話です。
なのにドラマティックな小説を読んでいるようでした。動物とのふれあいや明るい話題より、むしろ苦しい、厳しい状況が多かったですね。
自分の生活を犠牲にしたり、家の中で動物のために土足で生活したり、並大抵の覚悟ではできないことだと思います。
ネットでもサークル活動を超えている。涙なしでは見られない。といった意見がありました。

部活のレベルをはるかに超えています。すばらしい社会貢献です。
熱い情熱、責任感、あきらめない、粘り強さ、地道な取り組み、感心するばかりです。
それも、学業と両立させて。
感情に流されていません。それなのに、涙と笑顔なしでは読めませんでした。
初代部長の犬バカっぷりに笑い、悲しい運命が待ちうける動物に胸がつまり、よい出会いのできた彼らにまた涙。

この本は、映画にある16年後のことは出てきませんし、小説でもないので内容は違ってきます。ですが、実際にこういうサークルが実在しているということを知っておくと、映画もより楽しめると思います!

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