土曜プレミアム『世にも奇妙な物語’26夏の特別編』(フジテレビ系)が放送されました。
本記事では、新作短編4作品のうちの1作、趣里が主演を務める『実家じまい』のあらすじネタバレ・解説・感想を紹介します。
【世にも奇妙な物語/実家じまい】のネタバレ
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実家じまいは罰当たり?
30代の会社員・夏目沙耶(趣里)は、唯一の家族だった母・恵美子(佐伯日菜子)の葬儀を終え、古い団地にある実家じまいに来ていた。それを聞いた母の友人・松野さとみ(伊勢志摩)は「実家じまい?」と驚き、表情が一変する…。
沙耶は過干渉だった母への忌まわしさを思い出しながら、母が手作りした品々も処分していく。母はよくパンダの刺繡をしてくれた。父と母とパンダを見たことがあるが、父は女を作って家を出て行った。
母の日記を見つけた。沙耶がサッカー部のエースの男子を家に連れてきた日のこと。彼が帰った後、恵美子は「ちんけな男。すぐ別れなさい。全部お見通しなの!」と沙耶に言った。
サッカー部の馬鹿がケガした。しょぼい喫茶店のくせに沙耶をこき使うなんて許せない。課題が多い大学に抗議した。・・・沙耶は読むのをやめた。
ゴミ出しを終えた彼女が家に戻ると、「捨てるな!」「バチあたり!」という貼り紙とともに、すべてがドアの前に戻されていた。
翌週末、職場の同僚である柴田と寺井と片付けの続きをしていた沙耶のもとに、手作りクッキーを持った松野が訪れる。食べてみると、母の味だと気付いた沙耶。「ママの味は分かるのね」と異常なほど喜ぶ松野。その様子に沙耶は薄気味悪さを感じるが……。
同僚の死、遺品と写真
同僚2人と母の遺品をフリマサイトに出品して完売。部屋がスッキリした。しかしその後、沙耶が母の部屋に行くと、なぜか母の遺品が戻っていた。さらに、柴田が歩道橋から転落して亡くなった。
(回想)沙耶は恵美子に海外で働きたいと言うと「ダメ。沙耶はずっとここに住むの」と怒られた。
沙耶は気が狂ったように、母の遺品に当たり散らしていく。すると、写真と遺骨(?)がいくつも見つかった。
沙耶は団地の人や配達員に写真をみせる。すると配達員は何年か前に団地で孤独死した人だと指摘。
恵美子様
沙耶は過去の新聞記事をネット検索。そして母が住んでいたファミリーニュータウン・朝日ヶ丘では、孤独死が何件も報じられていた。そんな中、男性が転落死したニュースもあった。男性の名前は松野伸彦さん(53)。
沙耶は団地に行き、松野伸彦について調べようとする。すると、松野さとみ(伊勢志摩)が伸彦はただのクズだという。事業が失敗した伸彦はさとみを何度も殴った。
恵美子(佐伯日菜子)が、さとみを助けた。そして「後じまい」をすると言ってくれた。翌日、伸彦は転落して事故死した。
さとみは神様のように恵美子を崇めていた。いや、団地の住人の多くが恵美子を崇めていた。フリマで売った商品は団地の住人が買い戻したという。みんな、恵美子様の信者だった。
結末
恵美子様は団地の老人たちに親身になってくれた。さらに、「安らかに人生をしまってくれた」という。
部屋にあった骨は、母・恵美子が殺したものだった。
信者は恵美子が「殺した」わけでなく、「しまった」と言う。
信者は恵美子の死に目に会わなかった沙耶を責めた。
さらに恵美子の物をフリマに売った柴田を、さとみが突き落とした。(回想シーンあり)
沙耶は押入れに逃げた。
さとみは沙耶をしまおう!という。
すると、恵美子の霊が出て来て「やめてあげて。大事な娘なの。許してあげて」と、頭を下げた。
信者のみんなが部屋から出ていく。
沙耶が押入れから出ると、母はいなかった。
沙耶は「お母さん、ありがとう」と、遺影に声をかけた。
会社にて。寺井は沙耶と1週間も音信不通だと上司に話す。マンションにも見に行ったのだがいなかった。
ファミリーニュータウン・朝日ヶ丘の看板には2026年9月1日から2027年3月31日にかけて解体工事をする、お知らせが貼ってある。
団地の部屋には物が何もない。しかし押入れに、沙耶がいた。沙耶をうしろから抱きしめている恵美子の霊。
恵美子の霊は「あのこと怒ってないからね。バス停でずっと祈っていたでしょう?」という。
(回想)沙耶は「どうか、このまま死んで。わたしを自由にして」と祈っていた。※実家に帰る前のバス停。
恵美子の霊は何でもお見通しだ。
「親子喧嘩はもうおしまい!」と恵美子が言って、押入れを閉める。
沙耶は実家にしまわた。(おわり)
【世にも奇妙な物語/実家じまい】の解説:オチの意味は?
「実家じまい」というタイトルでしたが、最後は主人公が実家にしまわれるというオチでした。
主人公が消息不明になるオチはホラー作品ではよくありますけど、うまくオチていたと思います。
このオチを解説していきましょう。
結論からいうと、オチの意味は沙耶が実家(または母の影響)から完全に逃げられないことを示唆していたと思います。
言い換えると、母親の「執着」の恐ろしさが描かれていたともいえます。
本作は“実家じまい”と“親子の関係”(特に毒親と娘との関係)を描いていました。しかし、廃れた団地の孤独死問題と安楽死、狂信的なカルト宗教、因習村(古いしきたりや言い伝えが根強く残る閉鎖的な村や集団)と多くの要素も入っています。
趣里さんは「怖いけれど親子の話でもあるので、状況は違ったとしても誰にでも起こり得る話」「“実家じまい”と親子の関係を描いているので、誰でも身近に感じるお話」とコメントしています。
そう。やっぱり実家じまいと親子が本作の本質。なので、団地問題やカルト宗教のような他の部分はいったん置いておいて、ここでは“実家じまい”と“親子の関係”に絞って話をしたいと思います。
■「実家じまい」について
- 「実家じまい」(親亡き後の実家の片付け)は現実にもあり、 現代の誰にも共感しやすいテーマです。
- 沙耶が物理的に母の遺品を捨てても住人たちが戻しました。
- 沙耶の同僚がフリマで遺品を売っても住人たちが買い戻しました。
- この処分した物が戻って来る展開は、母親の「執着」を世にも奇妙シリーズらしい不思議さ・不条理さ(遺品がドアの前に置いてある。団地の住人の異常性)で描いたと考えられます。
■「親子の関係」について
- 親子関係。特に今作では母親の「執着」「呪縛」が描かれました。
- 母親の生前の過干渉(娘の彼氏を悪く言う。バイト先に文句。大学に抗議)がその例です。
- 母親の「執着」「呪縛」は死後も続きました。娘・沙耶が母の遺品を捨てようとしても戻ってきてしまう、売ろうとした同僚女性は事故にみせかけて殺されるなどがその例です。
- 沙耶が母から「自由」になりたいと、母が危篤なときにも感じていました。
- しかし母親の霊は、自分の死を願う沙耶の祈り(呪い?)を許しながらも、ずっとそばにいることを宣言。
本作は「人間の執着が作り出す閉塞感」が怖いポイントで、母の執着が「じわじわ迫ってくる」怖さが魅力だったと思います。
趣里さんは「沙耶は一見落ち着いた冷静な人物のようでありますが、逃げたいけど逃げ切れない想いや、どこかに母親に対する愛を捨てきれない気持ちを抱えています」とコメント。
沙耶の母親に対する愛を捨てきれない気持ちは、住民を追い返してくれた時に沙耶が「ありがとう」と感謝した場面で現れていたと思います。
こんな怖い住民がいる団地なら実家じまいなんて業者に任せたりして逃げればいいのに…とも思いました。でも、母親への愛を捨てきれないからこそ、不気味さを感じつつも実家じまいを進めてしてしまったのかもしれませんね。
「実家をしまう」という行為は、親への罪悪感や葛藤が心の中にあるもの。そんな後ろめたさをホラー作品として見事に描いた作品でもありました。
沙耶は、支配してくる母親から自由になりたいと思っていたのですが、簡単には血のつながりや思い出は消し去れないのかもしれません。
親子関係の難しさが制作者のメッセージとして描かれたと感じるオチでもありました。
■オチの意味のまとめ↓
- 外面的には、沙耶が実家から完全に逃げられないという意味。
- 沙耶が実家じまいをしようとしても遺品が戻って来ることを通して、「母の執着」を表現。
- 沙耶が実家にしまわれるオチは、まさに「母の執着」そのもの。
- 内面的には、母親の「執着」の恐ろしさを意味。
- 血のつながりや思い出は消し去れない「親子関係」の難しさも表現。
【世にも奇妙な物語/実家じまい】の感想まとめ
「怖かった」と反響
SNSでは「怖かった」と反響がありました↓
いや〜〜〜〜「実家じまい」がほんまに怖くて………………;;;「墓友」 と同じ脚本家さんだって見て納得😭😭こわかった #世にも奇妙な物語
— PiM (@PiM_g05) June 27, 2026
実家じまい、こっわ。
— フォレスタ (@moo_moo_moita) June 27, 2026
生きてる人間が怖い話じゃないですか、やだー😭
実家の合鍵を団地住民が持ってて、捨てた物を勝手に戻してくとか嫌すぎる。。#世にも奇妙な物語
#世にも奇妙な物語#実家じまい
— こまぴょん (@komapyon_mikapu) June 27, 2026
一番面白かった!
ゾワッと怖くて、救いが無い最後…
不条理で不穏で…
これこそ待っていた「世にも奇妙な物語」なのよ〜😱
実家じまい、こっわ。
— フォレスタ (@moo_moo_moita) June 27, 2026
生きてる人間が怖い話じゃないですか、やだー😭
実家の合鍵を団地住民が持ってて、捨てた物を勝手に戻してくとか嫌すぎる。。#世にも奇妙な物語
ありがとう?完全洗脳だね。親子ってだけで逃げられないのつらいし怖い怖い怖い。実家じまい#世にも奇妙な物語
— 黒猫🎃 (@Timnbc31) June 27, 2026
うわー、全部面白かった!
— 上条衿@イラストレーター (@erikamijo) June 27, 2026
特に実家じまいは怖かった💦#世にも奇妙な物語
たしかに、老人たちが「宗教」のように恵美子様と崇めていて不気味だったし、気味悪さがあって、こわ面白かったですね。
趣里さんの迫真の演技も良かったし、佐伯日菜子さんの幽霊役の演技もゾッとしました。
松木創監督は「最強の布陣のおかげで、極私的には、久々に満足のいくレベルの、ぞっとする映像が撮れたのではないかと思っています」と、放送前に自信をのぞかせていました。
その自信にたがわぬ作品で、ホラーとして良作だったと思います。

