芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』が2020年映画化決定!田中裕子・蒼井優出演で老いの新境地を描く

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(C) 2020 「おらおらでひとりいぐも」製作委員会

芥川賞・文藝賞を受賞し高い評価を受けたベストセラー小説『おらおらでひとりいぐも』が、沖田修一監督、田中裕子・蒼井優出演で2020年に映画化されることが明らかになりました。非常に独特なタイトルを持つこの作品は、どのような映画になるのでしょうか?

映画『おらおらでひとりいぐも』とは?

映画『おらおらでひとりいぐも』は2020年の公開が予定されており、2019年11月から12月にかけて撮影が行われました。『南極料理人』(2009)『横道世之介』(2013)『モリのいる場所』(2018)などを代表作に持つ沖田修一が監督・脚本を務めます。さらにキャストには主演に田中裕子を迎え、田中裕子が役を務める主人公・桃子さんの若い頃を蒼井優が演じるとのこと。

田中裕子・蒼井優といった日本を代表する女優2人が共演

田中裕子

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主人公の「現代の桃子さん」を演じる田中裕子は、1979年のNHK連続テレビ小説『マー姉ちゃん』でデビューし、1981年公開の映画『ええじゃないか』『北斎漫画』の演技を高く評価されて第5回日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞・新人俳優賞をW受賞。主人公の田倉しん役を演じたNHK連続テレビ小説『おしん』(1983)は大ヒットを収め、その人気は日本国内にとどまらず、アジア諸国でも放送されました。その後も現在に至るまで映画・ドラマ・舞台などで多くの作品に出演しており、日本を代表する女優の1人として一角を担っています。最近の出演作には2019年の『ねことじいちゃん』『ひとよ』があり、『ひとよ』では佐藤健演じる主人公一家の母親という重要な役を演じ切り、強い存在感を残しました。

蒼井優

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「20代~30代の桃子さん」を演じる蒼井優は『フラガール』(2006)で主人公役を務め、第30回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞と新人俳優賞をW受賞するほか数々の映画賞を総なめに。近年では『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)『斬、』(2018)『長いお別れ』(2019)『宮本から君へ』(2020)など多くの話題作に出演しています。

『おらおらでひとりいぐも』監督は日常を細部まで描き出す沖田修一

本作『おらおらでひとりいぐも』の原作小説は、若者の青春を描く青春小説の対極に位置する「玄冬小説」などと表現されており、高齢の女性を主人公として新しい老いの境地を描いた作品となっています。

『おらおらでひとりいぐも』の監督・脚本を務める沖田修一の作品は、どことなくゆったりとした雰囲気で時折ユーモアも混ぜながら、日常風景や人情の機微などを細かく描写する作風が特徴的です。

沖田修一の過去の作品に、若者の日常・経験・喪失を青春のきらめきと共に描写した青春映画の金字塔『横道世之介』、97歳まで生涯現役を貫き続けた伝説の画家「モリ」こと熊谷守一の晩年の日常を描いた『モリのいる場所』があり、いずれも高い評価を受けています。「玄冬小説」といわれる『おらおらでひとりいぐも』を沖田修一監督はどのように描くのか、楽しみです!

映画『おらおらでひとりいぐも』の作品情報

監督:沖田修一
脚本:沖田修一
原作:若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社刊)
キャスト:田中裕子、蒼井優
公開日:2020年予定

映画『おらおらでひとりいぐも』公式ホームページはこちら

映画『おらおらでひとりいぐも』のあらすじ

ひとり暮らしの桃子さん。おらの今は、こわいものなし。

若い頃に故郷を飛び出して上京した桃子さんは、都市近郊で暮らしている。ある日、自分の声が身体の内から外から湧き上がるようになりーー。

原作『おらおらでひとりいぐも』は若竹千佐子による芥川賞受賞小説

(C) 2020 「おらおらでひとりいぐも」製作委員会

原作となっている若竹千佐子による小説『おらおらでひとりいぐも』は、新人にして第158回芥川賞・第54回文藝賞をW受賞、50万部を突破したベストセラー小説です。波乱万丈の人生を送ってきた主人公・桃子さんの晩年を描く『おらおらでひとりいぐも』は青春小説の対極に位置する「玄冬小説」と呼ばれ、老いの新境地を描いた作品として注目され多くの読者から共感を集めました。

74歳、ひとり暮らしの桃子さん。
おらの今は、こわいものなし。

結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した桃子さん。
身ひとつで上野駅に降り立ってから50年――住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫の死。
「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」
40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。
捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いたものとは――

青春小説の対極、玄冬小説の誕生!
*玄冬小説とは……歳をとるのも悪くない、と思えるような小説のこと。
新たな老いの境地を描いた感動作。第54回文藝賞受賞作。
主婦から小説家へーー63歳、史上最年長受賞。

河出書房新社HP『おらおらでひとりいぐも』紹介ページより引用

『おらおらでひとりいぐも』原作者の若竹千佐子さんはこんな人

『おらおらでひとりいぐも』を発表した若竹千佐子は岩手県遠野市出身で、大学卒業後から63歳で作家デビューするまで専業主婦を貫き、主婦業をこなす傍ら読書に親しんでいたとのこと。夫に先立たれ悲しみに沈んでいたところに息子から小説講座の受講を勧められて『おらおらでひとりいぐも』を執筆し、第54回文藝賞を受賞、63歳にして作家デビューに至りました。文藝賞受賞は最年長、芥川賞受賞は史上2番目の高齢受賞となりました。

タイトルの「おらおらでひとりいぐも」ってどういう意味?

作者の若竹千佐子は岩手県遠野市出身であることから、『おらおらでひとりいぐも』の主人公である桃子さんも強い遠野訛りを持っています。また、タイトルの由来は同じく岩手県出身である宮沢賢治による詩「永訣の朝」のローマ字部分「Ora Orade Shitori Egumo(おらおらでしとりえぐも)」をもじったものであるということが明かされています。

つまりタイトルの「おらおらでひとりいぐも」とは「おら、おらで、ひとり、いぐも」という遠野弁で、「私は、私で(自分で)、1人で、行くよ」という意味になると考えられます。

映画『おらおらでひとりいぐも』まとめ

細かな日常描写から観た者の共感を呼ぶ沖田修一による監督・脚本により、田中裕子と蒼井優といった日本を代表する2人の女優が主人公の桃子さんの現在と過去を演じる映画『おらおらでひとりいぐも』で描かれる「老いの新境地」の世界。名作になること間違いありません!その他のキャストや予告編などはまだ公開されていませんので、続報を待ちたいところです。

映画『おらおらでひとりいぐも』は2020年公開予定です。

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