映画「バードマン、あるいは」の評価は?アカデミー常連監督が作品賞を受賞した斬新な問題作!

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2015年にアカデミー賞作品賞に輝いた「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」はその内容と撮影方法や構成、様々なものが斬新な切り口で描かれていて大きな話題となりました。
特に映画ファンなら知っているようなことをブラックユーモアの観点から「そこまで言っちゃっていいの?」と思わせる描写もあります。
そんな「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」について評価やちょっと難しい内容について触れていきたいと思います。

「バードマンあるいは」のあらすじ

アメリカのコミックを原作として作られた映画「バードマン」は大ヒットをした。その主人公を演じたリーガンは、その映画以降はヒットに恵まれず落ちぶれた日々を送りながら20年以上俳優を続けていた。リーガンと言えばバードマンという経歴とプライドが邪魔をして、他の仕事に就くこともできず、惰性で俳優生活を送ってきた彼だが、一念発起してブローウエイの演劇の演出と主演を企画するという無謀な賭けに出る。
しかし、彼を待ち受けていたのはバードマンによる呪縛と、もはや過去の人となった自分の評価との孤独な戦いだった。

バードマンとリーガン

出典元:https://eiga.com/movie/81227/gallery/2/

主演マイケル・キートンとバードマン

リーガンを演じるマイケル・キートンは俳優でもありますが、映画監督やプロデューサーなども行う製作者としても活躍しています。
しかし、この「バードマン」が公開されるまでの評価は正直「バットマンの人」というものでした。
映画バットマンで主演を演じたことはよく知られているのですが、その他の映画では正直言ってこれといった評価ができる代表作がありませんでした。
その現実の評価と映画の中での役どころがあまりにも似ていたため、本人が認めたのではないか?とも思える内容で映画ファンはかなりざわついたのではないでしょうか?
作中のリーガンにとっての「バードマン」は、現実でのマイケル・キートンにとっての「バットマン」だったのです。

マイケル・キートン

出典元:https://eiga.com/movie/81227/gallery/

「バードマンあるいは」の主な登場人物

リーガン・トムソン/マイケル・キートン

バードマンとリーガン

出典元:https://eiga.com/movie/81227/gallery/2/

映画「バードマン」で一躍有名な俳優となったが、その後20年以上ヒット作に恵まれないさえない俳優。アーティストとしての地位を確立するために、自ら俳優を志すきっかけとなった作品の舞台演出と主演をブロードウェイで行う決断をするが、そこには前途多難な日々が待っていた。

マーク・シャイナー/エドワード・ノートン

マイケル・キートン

出典元:https://eiga.com/movie/81227/gallery/

リーガンが数々の俳優に舞台出演をオファーしても断られた末に、やっとキャスティングできた俳優が負傷してしまい、その代役として出演したブロードウェイの有名俳優。
自己流を貫き、リーガンと事あるごとに演出方法などで対立する。

サマンサ(サム)・トムソン/エマ・ストーン

サム

出典元:https://eiga.com/movie/81227/gallery/3/

リーガンの娘で、コカイン中毒で施設に出入りしている。現在、リーガンの付き人をしているが無職に等しい。しかし、どこか魅力的で男を惑わす。

タビサ・ディッキンソン/リンゼイ・ダンカン

ダビザ

出典元:https://fanworld.co/ja/14-cheerful-facts-on-lindsay-duncan/

ニューヨークタイムズで演劇批評をしている記者。いつも不機嫌そうにしている。ブロードウェイ近くにバーで原稿をいつも書いている。ブロードウェイの演劇が彼女の評価で数回で打ち切りかロングラン公演されるかの鍵を握っている。

「バードマンあるいは」の評価は??

ちょっと難しそうな内容ではありますが、やはりとっつきにくいという印象を持っている人も多いようです。専門家の間でも評価が真っ二つに分かれているということで、評価が難しいといえるでしょう。しかし、それだけ非常に大きな話題を呼んだということは確かです。

全編ワンカットで舞台映画を見ているような印象を受ける

時間軸としては、リーガンが舞台公演に向けて稽古をしている数日間と実際に公演をする当日までの内容となっています。その取り方が特殊で全編ワンカットで多くの計算された構成が見事にマッチして、舞台映画を見ているような印象を受けます。
舞台映画と言えば、一点の固定カメラで撮られているようなものになるのですが、本編ではリーガンが行くところにカメラがついていくような形で撮影されています。
この状態が1時間半にわたって、ワンカットシーンとして撮影されているのでこれがワンテイクなはずがありません。実際にはデジタル処理で多くのシーンをつなぎ合わせて完成させたものと言えるのですが、見事な仕上がりです。こうしたことからリーガンのドキュメンタリーのような映像になっています。

ドラムだけで構成される映画音楽

音楽に関しても特殊で、ドラムだけで音楽を構成されているものであり、無音の状態も続きます。
これは少し退屈と感じる人もいるかもしれませんが、ドラムで効果音も含めて入れられているものは非常に新しさを感じます。今まで音楽のメインには来なかったドラムが、メインで構成されている映画音楽も新しいです。

ハリウッド関係者には耳が痛い話が多い

冒頭で、マイケル・キートンのバットマンに起因しているということもあり、実際にバットマン以降あまりぱっとした実績のないマイケル・キートンが自信をモチーフにしたバードマンを作ったことで、まずは自分を貶めていると言っても過言ではありません。
映画の中でも、あなたはただの有名人であって俳優ではない、愛人や同棲相手などをキャスティングする、知り合いの俳優をキャスティングしたいが人気作品へ出演しているのでブッキングできない、などハリウッド関係者の間ではタブーとも言えるような内容に触れています。
確かにゴシップ誌の記事にはなっても、映画でこうしたことを堂々と語る映画というのは私は知りません。
結局は内輪で盛り上がって、作品がヒットすれば芸術性などの評価は二の次というハリウッドの姿勢に一石を投じるような内容となっています。

監督は2年連続でアカデミー監督賞を受賞した「アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ」

「バードマンあるいは」の監督は アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥというメキシコ人監督です。この作品で2015年アカデミー賞監督賞を受賞しました。
その次の年にはレオナルド・ディカプリオが主演男優賞を受賞したことで話題となった「レヴェナント: 蘇えりし者」で次の年のアカデミー監督賞を受賞し、二年連続で監督賞を受賞した快挙を成し遂げました。

アレハンドロ

出典元:https://www.cinematoday.jp/news/N0033342

この作品の他にも、菊地凛子がアカデミー助演女優賞にノミネートされた2006年の「バベル」などがあります。

ちょっと難しい評価だが、映画好きなら楽しめる内容

本作品は、監督や俳優陣が映画を愛するが故に送ったハリウッドへのメッセージともいえるでしょう。その撮影手法や、音楽など新しい部分もあり、極めて評価の高い作品となっています。ちょっとしたハリウッドあるあるなども入っており、俳優の勉強をしているような人が見るような映画といってもいいでしょう。そのため、映画を純粋に楽しみたいと思う人にとっては分かりづらい内容となっているのかもしれません。

バードマンのモチーフとなったバットマンもU-NEXTで公開されています。

U-NEXT

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