映画『マー サイコパスの狂気の地下室』あらすじ、ネタバレ!実は切ないラストとは?

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『パラノーマル・アクティビティ』シリーズや、『ゲット・アウト』でも知られるジェイソン・ブラム製作のリベンジ・スリラー映画『マー サイコパスの狂気の地下室』

やんちゃな高校生たちを自宅の地下室に招いて、パーティーを開催する謎の女性…。
彼女の目的と過去を知ったとき、その狂気に図らずしも同情を抱くという、異色のスリラー映画となっています。

日本では劇場公開されず、DVDスルーとなった映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじや感想をネタバレありでご紹介。

なぜ、あのブラムハウス製作の映画が劇場公開されなかったのかも考察します。

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』概要

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』は、『パラノーマル・アクティビティ』シリーズなどでおなじみの「ブラムハウス・プロダクションズ」で製作されました。

監督は『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』のテイト・テイラーが務め、主人公”マー”を演じる女優には、オクタヴィア・スペンサーが抜擢されました。
2人は『ヘルプ〜』でもタッグを組んでおり、この作品でオクタヴィア・スペンサーはアカデミー賞助演女優賞を受賞しています。

一方で、「ブラムハウス」といえば良質なホラーやスリラー映画を次々と生み出していることでも知られています。
2017年に公開された『ゲット・アウト』はアカデミー賞に4部門もノミネートされていました。

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』でも、”マー”を演じるオクタヴィア・スペンサーが徐々に恐怖の一面を見せる怖い演出が多数。

しかしその結末は、「ブラムハウス」製作としては珍しい、どこか哀愁すら感じるものでした。

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』キャスト・スタッフ

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のキャストは以下のとおりです。

  •  オクタヴィア・スペンサー(”マー”ことスー・アン役)
  • ダイアナ・シルヴァーズ(マギー・トンプソン役)
  • ジュリエット・ルイス(エリカ・トンプソン役)
  • ルーク・エヴァンズ(ベン・ホーキンス役)
  • ミッシー・パイル(メルセデス役)

マーの狂気に直面してしまう女子高生・マギーを演じるのはダイアナ・シルヴァーズ

彼女は『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』にて、主人公のエイミーが好意を寄せるクールな女子・ホープを演じています。

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映画『マー サイコパスの狂気の地下室』では、母親の都合でオハイオに引っ越してきた女子高生を演じており、仲良くなった友達とマーの地下室に入り浸るようになります。

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そして”マー”ことスー・アンを演じるオクタヴィア・スペンサーは、アカデミー賞助演女優賞を受賞した名女優。

今回はスリラー作品への出演ですが、『シェイプ・オブ・ウォーター』や『ダイバージェント』シリーズなど、多数のジャンル映画に出演しています。

エマ・ストーンらが出演する『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』では、演技が高く評価され、アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。

監督を務めるのは『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』を手掛けたテイト・テイラー

これまで『ガールズ・オン・ザ・トレイン』でサスペンス映画を手掛けていますが、本作のようなホラー・スリラー映画は初です。

オクタヴィア・スペンサーとは『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』の他に、ジェームス・ブラウンの伝記映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』でもタッグを組んでいます。

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじ(ネタバレなし)

ここからは、映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじをネタバレなしでご紹介します。

最初は気さくで親切なおばさんだった…。

アメリカ、オハイオ州。

高校生のマギーは、母・エリカの都合で、飼い犬のルイと母の故郷・オハイオに越してくる。

マギーは転校初日に、電動車いすを使う少女・ジーニーと出会う。
困っているジーニーを助けるマギーだが、彼女とのやり取りはそこで終わる。

その後、マギーは同級生のヘイリーやその仲間たちに遊びに誘われる。
最初は「母と出かける」と断ったマギーだが、エリカは仕事を抜け出せず、マギーはヘイリーたちと過ごすことに。

彼女たちは酒を買って、街から離れた人気のない岩場でこっそり飲むために、通行人に酒を買ってきてほしいと頼む。しかし、だれも未成年の相手などしなかった。

マギーも同じように頼むが、そこに犬を連れた動物病院の看護婦、スー・アンがやってくる。

彼女もマギーの頼みを断るが、ヘイリーたちが乗っていた車に「ホーキンス警備会社」という社名を見て態度が変わる。
それはヘイリーたちの同級生・アンディの父親が営む会社だった。

スー・アンは代わりに酒を購入し、職場に戻ると、SNSでアンディのアカウントを発見する。

そこからアンディの父・ベンのアカウントを発見すると、彼に電話で「息子が酒を飲んでいる」と、匿名で告げ口をするのだった。

しかしマギーたちが酒を飲んでいる現場に警官がやってくるも、ベンのコネで息子のアンディをはじめ、マギーたちを見逃すのだった。

何も疑わない高校生たちと、スー・アンの目的

数日後、エリカは犬のルイに予防接種をさせるために動物病院へ連れて行くと、受付にスー・アンがいた。
彼女はエリカを執拗に観察する。

あの日以降、マギーたちは何度もスー・アンに酒を購入してもらっていた。

さらにスー・アンは自宅の地下室を自由に使うよう、マギーたちに提案する。
ただし、自宅には絶対に上がってこないよう忠告する。

自分たちに良くしてくれるスー・アンを、マギーたちは「マー」と呼ぶようになる。

一方、エリカはカジノでウエイトレスをしていると、そこにベンと彼の愛人・メルセデスが現れる。3人は同じ高校の同級生だった。
出戻りのエリカによって絡むメルセデスに、エリカやベンはうんざりしつつあった。

マーの地下室を使って酒を楽しめるようになったマギーたちは、他の同級生にも地下室のことを教えていた。

マギーとヘイリーは言いつけを破って、マーの自宅に上がり、トイレを使用してしまう。マーに見つかった2人は彼女に激怒される。

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじ(ネタバレあり)

ここからは映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじをネタバレありでご紹介します。ご注意下さい!

徐々にマーの様子がおかしくなり、不信感を募らせるマギーだが…

翌日、マギーのスマホにはマーから連絡が異常なほどあった。
昨日激怒したことを謝るマーだが、マギーは次第に不信感を募らされる。

そんな中、マギーはアンディに告白されて付き合うことになった。

一方で、平日にも関わらず、マーはマギーたちの通う学校にまでやってくる。
彼女はまたパーティーを開こうと提案するが、マギーたちは平日は厳しいと断る。
するとマーは険悪な表情で学校を去っていった。

2ヶ月後、スー・アンの地下室は高校生たちのたまり場と化していた。

マギーはアンディと地下室に訪れると、マーに酒を勧められるが、飲んだマギーは意識を失う。

目が覚めたときは自宅にいたマギーだが、母からもらったイヤリングが無くなっていた。

さらにマギーだけでなく、ヘイリーも祖母からもらった指輪が無くなったと話し、マーに対する不信感はますます募る。

ヘイリーは同級生たちにマーと連絡を取らないように伝えると、マーは「ガンの薬の副作用で情緒不安定になる」と弁明する。

しかし、そのマーの腕には、同級生がつけていたブレスレットが付いていた。

マギーとヘイリーはマーの留守を狙って自宅に忍び込み、イヤリングと指輪を探す。
すると自宅には、マギーが転校して最初に出会った少女・ジーニーがいた。

明らかになるマーの悲しい過去と残酷な復讐劇

ジーニーはマーの娘だが、過保護なマーのせいで学校に通えていなかった。

さらにマーは、マギーやアンディの親たちと同級生であると発覚する。

数日後、マーは偶然動物病院にやってきたアンディの父・ベンを食事に誘うが、ベンはマーが地下室で息子に酒を飲ませていることを知っていた。
しかしマーが彼らに執着するのには理由があった。

高校時代のマーはにベンに好意を寄せていたが、エリカ、メルセデスらに騙されて、性的な嫌がらせを受けた。
学校中にそのことは広まり、マーはベンたちに復讐を目論んでいたのだ。

マーは車を走らせると、目の前にジョギングをしているメルセデスを見つけ、ためらいなく轢き殺す。

さらに、ベンを自宅に呼び寄せたマーは麻酔で眠らせ拘束する。
ベンの動脈をナイフで切ると、マギーの犬・ルイから採血した血をベンに輸血する。

その頃、マーの地下室にはマギーたちの同級生を祝う誕生日パーティーが開かれていた。
そこにはアンディやヘイリーたちもおり、マギーはすぐに地下室を出るよう説得する。

しかしマーに見つかると、マギーは麻酔を打たれてしまう。

目が覚めると、マギーたちの首には鎖が巻かれ、身動きが取れない。
マーが現れると、意識のない友人たちに拷問を繰り広げる。
熱いアイロンを腹に押し当てたり、おしゃべりな口に糸を縫い付けたり…。

さらにアンディが意識を取り戻すと、マーはアンディをナイフで刺す。

マギーにもマーの魔の手が迫る中、ジーニーがマーを襲い、そのスキにマギーたちは地下室からの脱出を試みる。

襲われた拍子で地下室には火が付き、マギーは家にいないことに気づいたエリカたちに助けられる。

マーはジーニーを人質に取るが、今度はマギーに刃物で刺されてしまい、ジーニーも地下室から脱出する。

行き場をなくしたマーは、拘束され失血死したベンに寄り添うように横になる。

火の手は自宅にまで及び、マーは火に包まれるのだった。

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじを簡単にまとめてみた

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』の結末を、分かりやすくまとめてみました。

  1. マギーたちが酒の代理購入者を探していると、マーが現れ酒を買ってくれる
  2. 高校生たちに地下室を貸して、たまり場と化す
  3. マーはマギーたちに異常な執着心を見せると同時に、彼らの親にも接近
  4. マーはマギーたちの親と同級生で、過去にいじめられていた
  5. マーは復讐を結構するも失敗、最後は死亡していまう

SNSでも、『マー サイコパスの狂気の地下室』をホラーやスリラーとして評価するより、マーのキャラクターやストーリーを評価する声が多くありました!

https://twitter.com/saorin_movie/status/1318442524441157633
https://twitter.com/tsuribi10/status/1307006085291585536

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』は「寂しい」女性のリベンジストーリー

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』は、マーの不気味さに以上に、彼女の過去が明らかになるにつれて、同情してしまうストーリーが印象的です。

自分で殺したベンの遺体に愛おしそうに寄り添う姿は、表面こそサイコパスですが、彼女の過去を知ると簡単に狂人扱いできません。

マーが過去に執着する様子は随所にあり、マギーが母・エリカからもらったイヤリングを盗んだり、最悪だった高校時代をやり直そうと、高校生に地下室を貸す姿も切ないです。

まるで自分がパーティーの中心にいるかのような振る舞いも、新しい一歩を踏み出さず、過去に執着する様子として見ることができます。

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』はなぜDVDスルーになった?

映画の完成度も高く、監督・キャスト・製作も申し分ない『マー サイコパスの狂気の地下室』ですが、なぜDVDスルーになったのでしょうか?

以下に理由をまとめてみました。

理由①:「ブラムハウス」らしくない異色の主人公

ひとつは、「ブラムハウス」の中でも、主人公マーが異色な存在という点です。

「ブラムハウス」といえば、やはり『パラノーマル・アクティビティ』シリーズのような映画や、『パージ』シリーズ、最近では『透明人間』など、犯人や元凶に、共感や同情の余地が殆どない作品が多いです。

ところが『マー サイコパスの狂気の地下室』は、学生時代に辛い経験をした女性が過去に執着する、悲しい姿を描いています。

彼女の過去が凶行の動機であるため、観客に同情の余地があるのです。
これは「プラムハウス」の中でもかなり異色と言えます。

「ブラムハウス」のイメージとは離れた作品であるがゆえに、劇場公開は見送られたのではないか?というのがひとつの理由です。

理由②:監督と主演のタッグが宣伝しづらかった

2つ目は、「監督とオクタヴィア・スペンサーのタッグ作として宣伝しずらい」という点です。

テイト・テイラー監督とオクタヴィア・スペンサーの代表的タッグ作『ヘルプ 心がつなぐストーリー』は感動作です。
今回の『マー サイコパスの狂気の地下室』とは真逆のジャンルとなっています。

感動作を手掛けた監督が突如リベンジ・スリラーを撮影となると、観客は「急に真逆のジャンルになったけど、本当に面白いの?」と不安になるケースを考えたのではないでしょうか?

また、宣伝として「あの感動作を手掛けた監督が、リベンジスリラーに挑む!」と打ち出しても、注目こそ集まれど、実際に鑑賞しようと思う人は未知数です。

もちろん、これは”いち観客”としての考えなので、表では分からない配給の事情もあるかもしれません。

ただし、『マー サイコパスの狂気の地下室』に限らず、日本には「え?なんでこれDVDスルーなの?」と言いたくなるような面白い映画があるので、ぜひ探してみて下さい!。

映画『マー サイコパスの狂気の地下室』まとめ

今回は異色のリベンジスリラー映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじをネタバレありでご紹介しました。

サイコパスとタイトルにありますが、実際は過去のトラウマから悲しい復讐に走る孤独な女性を描いています。決して面白おかしく犯罪を犯すキャラクターではありませんでした。

だからこそ、普段から「ブラムハウス」製作の映画を見ている人には物足りないかも知れません。
しかし、こだわりがない人にとっては、かえって意外性のある作品として楽しめるのではないでしょうか?

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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